今日は、広告写真や動画を撮影する上で重要となる、3つの視点について書きます。依頼された内容を単にこなすだけでは、また呼ばれるカメラマンにはなれません。
結論を先に書くと…
・ブランド目線
・ビジネス目線
・顧客目線
そんなの知ってるよ!そんな声が聞こえてきます。しっかりと脳内シミュレーションして撮影現場に臨めていますか?
仕事が安定してくると、つい「明日はいつもの現場ねー」と事前準備もそこそこで出掛けてはいませんか?
全国ブランドのホテルチェーンには、ブランドに対応する本部マニュアルが存在します。外資系ホテルですと、分厚いマニュアルも英語表記(涙)
そこには、歴史・コスト・英知・フィロソフィーまでもが含まれた門外不出のマニュアルです。1度や2度の撮影ではお目にかかれませんが、長く携わってくると一緒に考えながら撮影を準備していくことになります。
しかし、それだけでは地方にローカライズされた商売には繋がりません。
どう解釈し、どうアレンジしていくか。これも試されるのです。
定期的に本部から広告物ののチェックも入ります。
全国ブランドですと、料飲部門での商品コンテストもあるのです。
地方に居ながらにして、全国の企画担当やカメラマンの腕も比較されるのです。
こんな楽しい世界はあるでしょうか!(喜)
例えば、夏のビアガーデン企画があったとしましょう。
どんな場所で、どんな内容で、どんな料理や演出で撮影するでしょうか。
ホテルブランドとしてのレギュレーションも準拠しなければなりません。
加えて、販売価格の設定と許される原価設定、ドリンクやフードの内容、告知方法などなど様々な要素を考えて組み立てられます。
どんな料理なら1人どれくらい食すのか。子供の価格や内容をどうするか。
ビュッフェスタイルなら、追加料金で何か仕掛けるか。
会場や滞在時間、回転率や席数を含めた品数など。
地方ならではのアレンジも大切です。東京本部から来たマネージャーが、東京で当たった企画を再現して大コケした事例もたくさんあります(涙)
プライシングも外す事が多いです。
コーポレートブランドを守りつつ、中庭を活かしたライブ料理だったり、地域により山と海の食材バランスを考えたり、調理方法なども単純ではありません。
そして、その企画をどうビジュアルに落とし込み広告していくのか。
メインビジュアルは何が最適なのか。ブランドイメージを強く出すと地方では伝わらない告知になりがちです。
食材原価の高い料理写真は、調理部門が抵抗してきます(笑)
女性グループをターゲットにするのか、ファミリー向けか。そもそもエリア的に外食文化がどれほど定着しているのか。この辺りも企画要素に直結します。
小都市では、着飾ってホテルビュッフェに出かける文化がそもそも無い所もあります。人口約10万人で宿泊中心だったホテルで仕掛けをし、ブッフェ&ビアガーデン企画、チケットを事前販売した所2000枚も売れた!なんて事もありました。
依頼された撮影だけ行うカメラマンでは、こんな成功はしません。
一緒に悩み考え、アイデアをぶつけ合って企画販売に臨む。そんな気持ちがあるカメラマンが求められるのです。
企画が当たれば嬉しいものです。大手ホテルといえど地方ではアレンジが求められます。地場のカメラマンだからこその経験を撮影にも活かしていきましょう。
現場から指名され、定期的に仕事が来るカメラマンは強いです。安定します。
どんな個性で呼ばれるカメラマンになれるか。誰でも良い撮影は先細ります。
ギャラが安い方に流れない、オンリーワンの仕事術を考えてみてください!
おかちゃん