『スマホ時代にどう自分を売り込むか?』

今回は、厳しい広告業界においてプロのカメラマンとして、どう対処してゆけば良いかを考えてみます。

以前少し触れましたが、日本人の識字率は世界と比べても高い水準にあります。
これは、江戸時代から証明されている事実であり、当時においては世界主要国と比べると段違いの高さだったと言われています。

第2次大戦終結時にGHQが配置され、マッカーサーが様々な改革を実施してゆきますが、漢字を廃止しローマ字のみを検討したものの、都市部だけでなく全国各地における識字率も高かった事から断念したという逸話も残っています。

世界は違っていました。庶民層の識字率を考えるとビジュアル重視の伝達手段が主流なのも頷けます。イラストから写真へと強い訴求力のある1枚を追求し続けているのです。その歴史の違いは大きい。

写真1枚で伝えようとする広告は日本ではありえません。必ず気の利いた文字が添えられています。現代においても、文字の果たす役割は絶大なのです。
そんな文化圏である日本でも、SNS特にインスタはビジュアルが命です。

文字の力を借りない、強い1枚の写真を追求してこなかった歴史。
国内で通用する写真から、世界に投げかけられるビジュアルが求められています。

もう一方で、誰もがスマホで写真をバンバン撮る時代ですよね!
気軽に撮影し、文字を書く前に写真が成立しています。日々どれくらいの写真がネットを駆け巡っているのでしょうか!?

当たり前になった写真だからこそ、人々の眼も肥えていきます。
スマホの撮影能力がどれほど向上しても、同時に見分ける経験値も養われます。
スマホ写真なのか、プロがセッティングして撮影した写真なのか瞬時に分別できてしまいます。

僕の撮影人生から言えることですが、大きな会社さんに成ればなる程1枚の写真に懸ける本気度が違っています。紛れもない事実です。
同様に企業ブランディング・商品のブランディングも真剣なのです。

1枚の写真が会社の運命を変える!と言われる程に。

別に過度な演出写真を求めている訳ではありません。消費者はウソに敏感です。
そこを理解した上で、キラリと光る写真を求めていたりするのです。

有名ハンバーガーのポスターがあります。実際にお店で出てくるとは思っていません。でもあのビジュアルやCMに心動かされます(笑)
僕は地方都市で企業広告を生業としていますが、だからこそ企業規模の違うお客様とのお付き合いがあり、大手と中小の価値観の違いが見えてしまいます。

この記事のカテゴリーは会社向けではなく、カメラマン向けにしています。
決してプロカメラマンのアピールではなく、目線を上げながら広告撮影を続けて欲しいと考え書きました。

東京の街を彩る1級予算の広告やハイブランド雑誌を常にチェックし、眼を養い続けることで、頂いたバジェット以上のビジュアルを提供する。この繰り返ししか生き残る術はありません。

撮影技術だけ求められているのではありません。
プランニングやブランド戦略にも、あなたの経験を期待されているのです。
言われた撮影をこなすだけでは、代わりは誰でも良くなっていまいます。

自分の売りは何なのか?
ご贔屓にされるポイントはどこなんだろう。問い続けるのです。
日々の作業だけでなく、どう自分を育てていくか。

他人より安いギャラは売りではありません!もっと下を潜る若手が出てきたら終わってしまいます(涙)

最後に現場での僕が必ず言うセリフがあります。
「他に撮影したいモノはありませんか?折角の機会ですから遠慮しないでどうぞ!」

「じゃあこれも押さえて貰おうかな?」これが出たら大丈夫!
機材設営して、数点で終わる撮影はホントにもったいないです。

見積りは高いけど満足して頂きましょう(笑)
次の機会にもうひとネタ書きますね。

おかちゃん

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