こんにちは!今回はタイトルの通り、独立開業された飲食店オーナーの話となります。
僕がお邪魔したのは、3年前。とある友人に紹介された、繁華街から少し離れたオフィスビルの地下にその店はありました。
オーガニック素材を活用した洋食とお酒の店です。
現在、そのお店はありません…。
オーナーシェフが体調を崩され閉店となってしまいました。
最初にお邪魔した際の店内は、改装したピカピカの素敵な店でした。
店舗の賃貸契約、内装、厨房機器と自己資金200万と借入600万で800万スタートです。
運転資金は約半年分を事前準備されていました。
1年据え置きの7年返済です。毎月の返済は約9万円だったと聞いています。
店舗の賃料が月に20万円ですから、スタートから厳しい経営だったのです。
立地も良くありませんでした。ランチは賑わうものの、夜はポツポツ…。
季節によって予約が入る時期もありましたが、返済は毎月訪れます。
加えて、繁華街から少し離れたオフィスゾーンですから土日は壊滅的です。
ホントに静かな週末といった立地だったのです。
シェフであり、経営者でもあります。先行きの不安が常につきまといます。
ホールのサービスは奥様が手伝っていました。バイトスタッフも2名。
席数は約40席。返済据え置きの1年以内で余力といいますか、運転資金が無くなってしまいました。
食材・飲料の問屋さんも最初は厳しく、売掛扱いにしてくれません。
ワインに至るまでオーガニックに拘っていましたので、利益も薄かった。
女性客も多かったのですが、価格に敏感な層でもあります。
オーガニックだからといっても、価格転嫁には限界がありました。
コンサルに入った訳ではありませんので、やさしいアドバイスしか出来ません。
・オーガニックのコダワリを和らげて、リーズナブルな食材やワインを使えないか。
・多くの人が訪れるランチ客を夜にも誘導する仕掛けの必要性。
・女子会に拘らず、デートで男女が訪れるメニューやコースはどうか。
こんな感じだったと記憶しています。
ひとつ痛手だったのは、シェフが料理を独りで担当している関係で、訪れる度に味が変化してしまう事です。
前回、美味しくて再訪時に頼むと…全然違う味付けに(涙)
体調によって味覚は大きく変化します。仕込みの量が少ないメニューだと、レシピ化されていない事が多々あります。
腕に自信があっての出店ではありますが、一定していない味は致命傷になります。
レシピなどで数値化するか、2名での味覚チェック。これが中々叶わない。
最初にイマイチだった皿は次に頼みません。良かったから再訪時にオーダーするのです。そこで味が激変していたら…。二度と来ないになってしまうのです。
奥様にも味の件は伝えたんですが、本人が頑固で意見を聞いて頂けなかった(涙)
「オーナーシェフ」とっても素敵なワードなんですが、独りで何役も出来る人はなかなか居ません。
信頼できるパートナーなり、専門家の助言だったり、脇を支えるサポーターが必ず必要になります。まして、開業当初なら尚更のことです。
僕も訪れなくなって早2年。昨年の秋ころに残念ではありますが、閉店の知らせが届いてしまいました。
体調を崩されたとの文面でしたから、経営不振ではなかったと信じたい。
しっかりと療養され、再起されますことを祈りつつ、オーナーシェフの難しさについて記事にしてみました。
店舗オープンがゴールではありません!
仕入れ・支払い・銀行返済でさえ大仕事です。それ以外にも、ミッション山積みなんですよね。
集客の企画、季節ごとの仕掛け、広告宣伝やリピーター作りなどなど。
これから目指すあなたにも、そんな多方面の知恵袋を置いてください。
厳しい、耳が痛い事を言ってくれる人こそ、大切にしたいものです。
おかちゃん